こころの病気は誰にでもなり得る
「自分は健康だから、こころの病気は関係ない」そう思っていませんか。こころの病気はそのほとんどが後天的なものですから、どんな人でもなる可能性があります。今は大丈夫でも未来に自分や家族や近しい人が発症することもあります。
こころの病気になってしまった際に大事なのは、それを認めて受け入れ、治療をすることです。そのためにも、こころの病気にはどんなものがあるのか、よく耳にする病名とその症状を一例にご紹介します。
なお各病気にも症状には個人差があり、一概には言えない部分がたくさんありますので、あくまで症例の一部としてとらえてください。
うつ病
まずこころの病気と聞いて真っ先に思い浮かぶのがうつ病ではないでしょうか。近年うつ病に対しての理解が深まってきて、その病名を知らない人はほぼいなくなりました。そんなうつ病の症状は、憂うつな気分が一日中感じられ、それが長期間にわたることです。目安としては2週間程続くと、うつ病と診断されるようです。楽しさを感じられなくなったり、眠れなくなったり、ぼーっとしたり、死にたいと感じたりする場合もあります。なんてことないことで泣いてしまったり、お酒に溺れる人もいます。体の不調が出ることもあり、症状は多岐に渡ります。全ての症例にあてはまらなくても、何だかおかしいと気づいたら、うつ病の可能性を疑ってみましょう。
双極性障害
うつ病によく似た症状が出るのが双極性障害です。以前は躁うつ病とも呼ばれていました。うつ病のように憂うつな状態がある一方で、度を越したハイテンションな躁状態も見られ、その二つを繰り返します。躁状態の時は明るく活発なので、病気を見逃してしまいがちです。誰しも気分の浮き沈みはあるものですが、常識的な範囲から外れていると感じられる場合は、躁状態になっているかもしれません。
統合失調症
うつ病のように感情の起伏が少なくなり、さらに妄想や幻覚といった症状が出てきますと、統合失調症の可能性があります。「悪口を言われている」「監視されている」などの被害妄想や、自分に命令する声が聞こえてくるといった幻覚・幻聴などが代表的な症状です。
発祥の原因はまだ解明されていませんが、過度なストレスや緊張がきっかけとなると考えられています。
幻覚や妄想というとかなり特殊な例と感じてしまうかもしれませんが、実は100人に1人弱が発症しています。
これらのこころの病気は放っておくと重症化してしまう可能性が高いです。早期治療すればその分回復が見込めますので、専門機関へ相談しましょう。