原因や症状は?
おたふく風邪の原因となるのは、ムンプスウイルスと呼ばれるウイルスです。おたふく風邪と呼ばれていますが、正式な病名は流行性耳下腺炎です。耳下腺と顎下腺が腫れるのが特徴で、痛みと熱が出ます。
最初に片方の耳下腺が腫れて、それから反対側も腫れるというのが多いです。感染力が非常に強いウイルスで、感染者との接触やくしゃみの飛沫などで感染します。ムンプスウイルスは、体内に入って血液がウイルスを運び、全身に広がっていきます。耳下腺や顎下腺が腫れるほか、倦怠感や頭痛などが起こることもあり、風邪の症状に似ている点があります。熱は最高40℃を超えることもあると言われています。おたふく風邪では、顔が腫れることがあるので、その点は風邪と異なる症状です。顔が腫れてしまうのは、ウイルスが唾液腺に感染して、唾液腺がウイルスを死滅させようと免疫機能を働かせるためと言われています。これによって、顔が腫れます。
かかりやすい年齢は?
おたふく風邪は、かかりやすい年齢があります。主に幼児から小学生低学年が多くかかると言われていて、一度かかると、再びかかることは少ないとされているウイルスです。おたふく風邪は、子供のころにかかっていない場合、大人になってもかかる人はいます。また、免疫力が低下している場合は、再感染してしまうこともあるので、注意しましょう。
おたふく風邪の治療と予防は?
おたふく風邪は、感染してしまった場合、自然治癒で治すことになります。1週間から2週間くらいで完治するので、症状を和らげるための方法を取りながら、完治を待ちます。主に使われる薬として、解熱鎮痛剤があります。これで発熱や痛みを和らげて、安静にして治します。高熱が出ている場合は、水分補給をしっかりと行い、脱水症状にならないように注意しなければいけません。経口補水液を飲むのが良いでしょう。おたふく風邪の予防として、ワクチン接種があります。ワクチン接種は任意接種なので、おたふく風邪にかかっていなくて、未然に予防をしておきたい場合に摂取することになります。1歳以降から摂取可能で、2回摂取します。1回目と2回目は1ヶ月以上あけなければ摂取できません。このほか、手洗いやうがいなど、通常の風邪予防として行われる対策や、栄養バランスのとれた食事、しっかり睡眠を取るなどして免疫力を高めておくことも、おたふく風邪の予防として有効です。
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