入れ歯に寿命はつきもの
毎日の食事で使用する入れ歯は、かなり過酷な環境で使用されています。
硬いものを噛んでいるうちに人工歯が摩耗することもありますし、バネ(クラスプ)が変形したり破折することも起こります。
また年を重ねるごとに体に変化が生じるのと同じように、口の中の状況も変化していくため入れ歯はいつか必ず使えなくなる時が訪れます。
これは入れ歯の寿命であり、宿命とも言えます。
飾っておくものならいつまでも変わらない状態を維持することができますが、それでは入れ歯の本来の役目が果たせません。
入れ歯は一度作ったらずっと使い続けられるものではなく、ある意味では消耗品と考えておく方が良いでしょう。
入れ歯を新しくした時に出る痛み
新しく出来上がった入れ歯は、それまで使い慣れてきた入れ歯とは使用感が変わりますので、初めは痛みなどの症状が出ることがあります。
これも入れ歯について回る悩みで、馴染むまでは何度も調整を行うことが必要となります。
新しい靴に慣れるまでは靴擦れができることがありますが、その状態に似ているというと分かりやすいでしょう。
入れ歯が当たって擦り傷ができた歯茎は、入れ歯の当たり過ぎによるものですので入れ歯を削らなくてはなりません。
しかし削り過ぎるとフィット感がなくなり、もの詰まりを起こすことにもなりますので、何度も何度も少しずつ削らなければならないのです。
新しい入れ歯が痛みなどで使えないときのために、歯科医院では新しい入れ歯と一緒にこれまで使っていた入れ歯も一緒に渡してくれます。
そして耐えられない痛みが出るようなら外しておいてもかまいませんが、次回来院する時にはたとえ痛みがあっても3時間前からは我慢してはめておくことが必要となります。
上下ともが入れ歯の場合
新しい入れ歯が痛みなどで使えないときは、古い方にはめ変えて傷を大きくしないことが大切です。
このとき上顎・下顎の両方で入れ歯を使用している場合、どちらか一方に痛みが出たとしても上下ともにこれまで使用していた入れ歯にはめ変えましょう。
なぜかというと新しい入れ歯は新しいもの同士で噛めるように作られているため、古い入れ歯と新しい入れ歯ではうまく噛み合うことができません。
バラバラに使用すると違う部分に不具合を起こすこともありますので、必ずセットにしてはめ変えることが大切です。
またお年寄りの中には新しいものと古いものの区別がつかなくなることがありますので、入れ歯の調整に行く際には必ず古い方と新しい方の両方を持参しましょう。
新しい入れ歯が出来上がった時点で、何か目印をつけておくのもおすすめです。