がんのステージとは?
がんには、症状の進行度に応じた「ステージ」というものがあります。概ね、0~Ⅳまでの5段階に分かれており、がんと診断された場合はステージについても説明されることが多くなっています。
ステージ0はがん細胞が上皮細胞内にとどまっており、リンパ節への転移がない状態です。ステージⅠになると、がん細胞が少し広がりますが筋肉層でとどまっており、リンパ節への転移はありません。
続くステージⅡでは、がん細胞が筋肉層よりもさらに広がり、リンパ節への転移はないものの弱若リンパ節への転移がやや見られる状態となります。ステージⅢではリンパ節への転移が見られ、ステージⅣでは他の臓器への転移が見られるようになります。
ステージⅣは最も進行したがんの状態で、いわゆる「末期がん」という状態です。
末期がんの状態とは?
末期がんでは、がんがはじめに発生した「原発巣」と呼ばれる部位を超え、離れた場所にある臓器に転移してしまいます。この状態のがんには治療方法がほとんどないといわれています。通常のがん治療を行ってもあまり効果がなく、体力を奪い逆に死期を早めてしまう恐れがある状態です。
末期がんでは「手の施しようがない」「治療しようがない」ということから、死期が近いイメージを多くの人が持っているかもしれません。しかし、末期がんになったからすぐに亡くなるというわけではないのです。
末期がんの状態でも、1年や2年行き続ける人が、実は多くいます。5年生存率で見ると末期胃がんでは約7%、末期子宮がんでは約20%あります。このように、末期がんになったといっても、数ヶ月で亡くなる人ばかりではなく、数年行き続ける人も多いのです。
末期がん治療とは?
末期がん治療では、通常のがん治療とは異なるアプローチが行われます。基本的に、がん細胞を除去したり小さくしたりする治療というよりは、痛みや気分の低下を緩和する治療がメインとなります。
末期がんは、通常のがん治療が終了しているか、通常のがん治療での効果が出にくいとされる状態です。このため、場合によっては病院から治療の実施を断られてしまうケースもあります。
末期がん治療に特化した医療機関や、緩和ケアを得意とする医療機関、クリニックなどでは、末期がん患者の受け入れを行っています。
一般的なイメージでは、「末期がんは治療できない」「末期がんは死期が近い」といったイメージが強いようです。しかし実際のところは、末期がんでも元気に日常生活を過ごす人が多く居ますし、末期がんならではの治療プログラムやケア方法が確立されているのが実情です。