歯石除去は歯科医院以外でも行われています

歯周病治療に欠かせない歯石除去

歯周病は歯と歯茎の隙間にある歯周ポケットに汚れがたまり、それが硬い歯石となって起こるのが主な原因です。
歯石は歯垢が唾液中のカルシウムや細菌の死骸によって固まったもので、歯石が歯の周りや歯周ポケットにたまると毒素によって歯槽骨が溶けていきます。
また毒素から身を守るために歯槽骨はどんどん下がっていき、次第に歯を支える骨の量が減ってしまいます。
これが最も進行した状態が歯槽膿漏で、歯の根っこの先端まで骨がなくなることも珍しくありません。
こうなると歯はグラグラと揺れて、保存することはほぼ不可能な状態です。
一度なくなってしまった骨は元に戻ることがありませんので、残っている骨をいかに減らさないかが重要になってきます。
そのためには歯石をすべて取り除くことが最重要課題で、まずは超音波スケーラーで縁上スケーリングを行います。
縁上スケーリングとは、歯茎の上の部分についている歯石を取ることで、除去した後は本来の凸凹した歯並びが甦ります。
歯石がたっぷりついている人は下顎前歯部の裏側がまっ平になっていることが多く、これはすべて歯石が覆っていたがためで、歯石を除去して初めて自分の歯の凸凹に気づく人もいるほどです。

麻酔がないと取れない歯石

縁上スケーリングが終了したら、次は縁下スケーリングに移ります。
この処置では歯周ポケットの中についた歯石を取り除く際に痛みを伴うため、麻酔を打ってから処置を行います。
歯周ポケットの奥深くには超音波スケーラーは届きませんので、歯石除去にはハンドスケーラーを使用します。
ハンドスケーラーはキュレットとも言い、両端が鎌のようになっている外科器具の一つです。
色々な形になっているハンドスケーラーには番号がついており、歯科医院によっても異なりますが多くの場合14種類が使用されています。
歯周ポケットの奥についた歯石は、一度で除去することは難しいので数本ずつのブロックに分けて除石していくのが通常です。
炎症がひどい場合は、歯周ポケットにペリオフィールなどのお薬を入れて歯肉の炎症を鎮めます。

歯科医院だけでなく動物病院でも

この一連の処置は歯科医院だけでなく、実は動物病院でも全く同じ方法で処置が行われています。
人間と同じように歯磨きをしないと犬や猫も歯石がつき、放っておけば歯周病にかかります。
麻酔だけは全身麻酔になりますが、超音波スケーラーとハンドスケーラーで歯石を取り除き、最後にペリオフィールのお薬を入れて処置が終了となります。
処置方法が人間と全く同じというのは、何とも不思議で興味深いものです。

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