虫歯予防意識はアメリカのほうが高め
海外の歯医者さん事情、まずはいろいろな点で世界ナンバーワンの大国、アメリカについてです。
アメリカの医療の特徴といえば、なんといっても日本とは違い皆保険制度が整っていないことがあります。
つまり、保険に加入できない方にとっては、病気のリスクが日本と段違いということです。
このことは歯医者さんでも同じで、虫歯にかかってしまうと、治療にかかる費用は日本の健康保険が適用できる場合と比べ物になりません。
そのため、アメリカでは日本以上に、虫歯にならないよう歯磨きの指導などに小さい子どものころから力を入れて取り組んでいます。
成人してからも、歯の定期検診などを受けている方は日本よりもアメリカのほうが多く、年老いてから残っている歯の本数などのデータも、アメリカのほうが日本よりも優秀です。
昔から歯を大切にしてきた歯科先進国スウェーデン
歯を大事にしている虫歯を少ない国ということで、多くの方が思い浮かべるのはスウェーデンではないかと思います。
歯の健康を大事にしているスウェーデンは、虫歯予防で有名なキシリトール発祥の国としても知られていますね。
非常に寒い環境の北欧ですから、干し肉など、歯をしっかり使って噛まなければいけない硬い食材が多いことなども、歯の健康に昔から気を遣ってきた理由と考えられます。
虫歯や歯の残存本数といったデータを見ても、アメリカ以上に優秀な数字が出ていて、日本がかなり歯の健康という点で後れを取っていることがわかります。
先進国の中では歯の健康への意識が低い日本
先進国の中で比べると、日本人は非常に歯の健康に対する意識が低いということが見てとれます。
歯医者さんの数は、決して少なくないのですが、歯医者で誰でも健康保険適用の虫歯治療を受けられるということが、逆に日本の歯の健康意識を下げているという指摘もあります。
特に、日本が先進国と比較して大きく違うところが、歯の定期検診を受けている割合です。
日本では職場や学校の定期検診で健康診断を受けるのが一般的ですね。
最近は個人で健康ドックにかかる人も増えていますが、歯医者さんの定期検診ということになると、残念ながらまだ多くの人にとって一般的なこととして定着していません。
そのため、歯医者さんの数や医療技術そのものは優れていても、虫歯になる患者さんの数はあまり減っておらず、他の先進国に比べて悪いデータが残っているという形です。
ただし、歯の残存本数は徐々に改善されていて、歯周病に関しては少しずつ改善傾向も見て取れます。