矯正治療は価格に見合うだけの価値はある?

歯列矯正は高額になりがち

歯並びをととのえるために行う歯列矯正。矯正治療にはさまざまな種類があります。代表的な矯正治療の方式には金属製のワイヤー(針金)とブラケットという金具を歯の表面にとりつける表側矯正をはじめとして、ワイヤーとブラケットを歯の裏側(舌側)にとりつける裏側矯正、目立ちやすい上あごの歯には裏側矯正をして唇で隠れて目立ちにくい下あごの歯には表側矯正を行うハーフリンガル矯正など、その種類は多種多様です。また、マウスピースを使って行うマウスピース矯正も人気があります。
これらの矯正治療は比較的治療価格が安いマウスピース矯正でも数十万円~100万円前後(両方のあごに矯正治療をした場合)の金額がかかるほか、通常の表側矯正も同じく安くても数十万円~100万円前後(両あご)、裏側矯正で百数十万円~200万円前後(両あご)、ハーフリンガル矯正も裏側矯正と同じかそれ以上の高額な治療費になってしまいます。

矯正はかならずしも成功するとは限らない

数十万円からときには数百万円かかることも珍しくない歯列矯正ですが、では、この高額な治療費を払えば矯正の成功は約束されたも同然なのでしょうか?答えは「NO」です。残念ですが、たとえ高額な治療費を支払って2年~4年、ときには5年といった長期間にわたって治療を受けたとしても、かならずしも矯正が成功するとは限らないのです。
矯正治療は非常に複雑な要素がからみあった歯科治療のひとつです。あごの骨の形や歯の生え方、歯の大きさなど、さまざまな要素が治療の成否を分けます。また、最悪の場合、高額な治療費を支払って数年間かけて矯正をしたあと、「すべての歯が抜ける」などのトラブルが発生することすらあるのです。もちろん、このような最悪のトラブルは常時発生する訳ではありませんが、一例として、それくらい矯正治療には不確実性をはらんでいる、ということを認識しておく必要があります。

どんなものにも「完璧」はない

世の中のどんなものにも完璧、一点の曇りもなくパーフェクト、と断言できるものはありません。それと同じように矯正治療、ひいては医療行為全体にも「100%問題ない」と断言できる治療は存在しないのです。矯正治療は不確実性が大きい治療法のひとつです。このことを治療を受ける方は事前にしっかりと頭に入れておくとよいでしょう。「成功すること」のみ考えているともしものトラブルがおきたときに精神的・肉体的なダメージが増幅されるおそれがあるからです。矯正治療を受ける前には本当に矯正が自分に必要なのかどうかを今一度検討してみてください。

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