進行段階によって治療法が異なります
とつぜんですが、みなさんは虫歯治療、と聞くとどのような光景を連想されますでしょうか?「キーン」と歯医者さんの院内にひびく歯を削る音や薬の匂いがする歯科医院の待合室、というようなイメージをもたれている方が多いかと思います。歯科医院で行う虫歯の治療と言えば歯を削る、と自動的に連想する方が多いのですが、虫歯は初期段階のC0やC1のうちであれば歯を削らずにフッ素塗布などの処置だけで済む場合もあります。もちろん、虫歯は症状が進行すれば虫歯におかされた歯の部分を削り取る必要がでてきますが、すべての虫歯治療において歯を削らなければいけない、ということはありません。
C0、C1の虫歯治療
初期段階の虫歯はC0、C1と呼ばれます。この段階の虫歯はミュータンス菌がだす酸によって歯が溶ける脱灰(だっかい)がはじまった状態であり、外から見ても白い斑点や茶色いシミが歯のエナメル質の表面に見えるだけで、大きな黒い穴が開いた状態ではありません。初期段階の虫歯はC1の虫歯で症状が進行しているケースでは多少歯の表面のエナメル質を削ることがありますが、ほとんどの場合歯を削る必要はなく、フッ素塗布などの虫歯を防ぐ予防処置をして様子を見ます。様子見、と言うのは言葉のとおり歯の状態の経過を観察することであり、C0、C1の段階の虫歯であれば毎日の歯磨きをしっかり行い歯を清潔に保つことで症状の改善が期待できます。また、歯磨きをきちんと行っていれば虫歯が進行しにくくなるため、初期段階の虫歯ではそれ以上虫歯の状態を進行させないようにすることが大切です。cocoro-dental-clinic.com
C2、C3の虫歯治療
C2は虫歯菌がエナメル質の下にある象牙質にまで達した状態です。象牙質は硬いエナメル質と比べるとやわらかい組織のため、C1からC2になると虫歯の進行スピードがグンと速くなります。C2の虫歯を放置すると今度は歯の神経が虫歯菌に侵された状態のC3になります。C3の虫歯は歯の神経がおかされるほか、歯の根っこにあたる根管にまで虫歯菌や細菌がおよぶことも珍しくありません。C2の虫歯で歯の神経がおかされていない場合には神経を残して歯を削り、削った穴の大きさに合わせて詰め物やかぶせ物をつけていきます。C3の虫歯で歯の神経がおかされている場合には抜髄を行って歯の神経をとりのぞきます。このとき、歯の根まで虫歯がおよんでいるケースでは根管内部を綺麗にする根管治療を行います。
C4の虫歯に対する処置
C4は歯の神経が死滅してしまった状態です。この段階では処置をしても歯を残せる確率は少ないほか、歯の上部がくずれおちてしまいボロボロになっていることもあります。C4の虫歯でもまれに歯を残せるケースも存在していますが、ほとんどの場合、治療は行わず抜歯で対処します。抜歯後はインプラントやブリッジ、入れ歯などの人工歯で歯をおぎなう治療を進めていきます。